2013年04月21日

大学経営における経営戦略

大学経営においては、まず基本理念があって、この基本理念という目標を達成するための打ち手としてビジョンがあります。

大学経営における経営戦略は、現状とこのビジョンとのギャップを埋めるための打ち手であり、言い換えれば、ビジョンという目標を達成するための打ち手といえます。

そして、この経営戦略という目標を達成する打ち手として戦術があります。

基本理念とは、大学が経営していく上で、よりどころとなる普遍的で半永久的な方針・価値観を示したものです。

またビジョンとは、基本理念を具体化した、中長期の大学が目指す姿・方向性を示す概念です。

まずは基本理念を掲げ、それをビジョンとして大学をどういう姿・方向性にしていくのかを具体化します。

そこで、大学の現状と目指すべき姿・方向性とのギャップをどう埋めていくのかを考察していきます。

ビジョンとは、たとえば5年後には偏差値を(5ランク上げて)60とする。受験者数を(現状の1万8千人から)2万5千人とする。司法試験合格者を(現状の10人から)20人とする。国家公務員1種合格者を(現状の5人から)15人とする。
などです。

現状とビジョンとのギャップをどう埋めていくか。この打ち手、これこそが大学経営における経営戦略なのです。
posted by 奥田広隆 at 17:32| 大学経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月16日

大学経営は学生確保が最重要の課題

文部科学省の学校基本調査(平成22年度)によると、大学数は全国で778校。うち国立が86校、公立が95校、私立が597校あります。

その推移を見ると、
平成18年度に744校
19年度に756校(+12校)
20年度に765校(+9校)
21年度に773校(+8校)
22年度には778校(+5校)
と、毎年10校程度増え、わずか4年の間で34校も大学が新設されていることになります。

大学生の学生数は、
平成18年度2,859,212人
19年度2,828,708人(‐30,504人)
20年度2,836,127人(‐7,419人)
21年度2,845,908人(+9781人)
22年度2,887,414人(+41,506人)
と、毎年10校程度増えているにもかかわらず、学生数はさほど伸びておらず、4年の間で34校も大学が新設されているにもかかわらず、学生数は28,202人増えたことになります。

1、大学経営にあたっては、少子化の流れの中で、学生の確保が最重要の課題です。

@立地条件として、背景人口、学校数、交通の利便性はどうか。
A大学のブランド力として、教育レベル、教育方針、教育意思が明確化されているか。ハード、ソフト面での設備状況や留学制度など意欲ある学生のニーズ、欲求に応えているか。立地条件や施設、伝統、学生の質向上への取り組みはどうか。
B経営の実権者はどのような人物か。経営者の教育・経営理念はどうか。理事会サイドと教授会など教学サイドの2系列組織が運営上問題なく機能しているか。運営者のガバナンス能力はどうか。

これら対策は、何にもまして、収入の大半が学生納付金であることにあり、入学希望学生の確保が大学経営の基盤となっています。

2、大学経営にあたっては、人件費率は帰属収入に対し、50〜60%とされており、抑制策も課題です。

@人件費率=人件費÷学生納付金=50〜60%
A帰属収入=納付金収入(入学金・授業料)+入学検定料+寄付金収入(新入生寄付金、研究助成金)+補助金(国からの私立大学等経常費補助金など)+資産運用収入(奨学基金の運用、利息、配当金など)+事業収入(食堂、売店、スクールバス、附属病院)
B納付金収入は医学部・歯学部を除く学校法人の帰属収入のうち7割を占めるとされます。

3、その他
@過剰な設備投資、自己資金で賄えず、借入金に過度に依存していないか。
A補助金等が適正に処理され、監査を受け健全経営がなされているか。
Bリスクのある資産運用がなされていないのか。

とりわけ問題なのがBで、リスクのある金融商品は将来の資金支出につながり、充分注意が必要です。
posted by 奥田広隆 at 20:04| 大学経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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